BLACKNESS DRAGON ~希望という名の光~

前方から迫り来る人物と背後で待機している人物を威嚇しながら猛ダッシュで右手の方向に逃げるが…




 「……クッ………」


前方の人物が地を蹴り高々とジャンプ…


そしてマリンの頭上で刃を振り上げ、勢いのまま振り下ろした…




ブンッと音を立て煙を裂き振り下ろされた刃に、避けられないと判断したマリンはグッと目を瞑る…






視界が闇に包まれたその瞬間、物凄い突風が吹き荒れ、立っていられなくなったマリンは尻餅をつく…



腰を押さえながら恐る恐る目を開くと、先程まであったハルクとダイの姿は随分と遠くにあり、突風に飛ばされたのかうずくまる…




近くで気配を感じハッと横を向くと、灰色のショートカットの髪を揺らしながら、異様な仮面を被った女がマリンを見下ろし立っていた…



突風は彼女を中心に吹き荒れ、2人を威嚇するように吹いている…





 「あんたがマリンだね?」


 「へっ…?」


籠もった声でそう言うと、有無も言わせぬままマリンの腕を掴み簡単に立ち上がらせる。




 「これはサラの力か……厄介な能力だ………」


遠くで倒れる2人を見てそう言う彼女は、仮面の中で嫌そうに目を細めたように見えた…




 「サラの、能力……?」


そんな彼女を見上げるマリンは、彼女が敵ではないと素早く判断。


鋭かった目つきを整え恐る恐る彼女に問う。




 「そう。一度触れた者を思い通りに動かす操り士。いけ好かん奴だ。」


物凄く嫌そうな声で言う彼女に愛想笑いを浮かべながらも、マリンはすぐさま真剣な表情に戻し更に問う




 「どうしたら、止められるあるか…?」


 「この力の源である能力の主を打てば、彼らは自由になる。

だが、今追った所で追いつくのは到底不可能。

それに、あいつとは顔を合わせたくはない……」


マリンの声に顔を向けそう言うと、難しそうに言う…





 「他に打つ手はないあるか?」


せがむように言われ、彼女は困ったように唸りながら考えるように顎に手を添えた…



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