BLACKNESS DRAGON
~希望という名の光~
突風を受け黒髪を揺らしながら彼女の後ろ姿を見つめていると…
「あんたなら大丈夫だ。自分を信じて戦いな。」
一瞬こちらに顔を向けると優しく言うのだった…
マリンはその言葉に頷くと、目を瞑りゆっくりと深呼吸…
そして目を開くと何かを感じ取ったのかくるりと身を反転させ拳を突き出す。
目にも留まらぬ早さで突き出した拳には何かがぶつかり、跳ね返ったそれは爆音と共に煙を上げる…
拳を突き出したまま前方に立つ人物ダイを見つめる瞳は迷いの色もなく、しっかりと彼を瞳の中に映していた…
「ふんっ……問題なさそうだね………」
仮面の女はハルクと戦いながらマリンを振り返り呟くと、片手を突き出し巻き起こった突風でハルクを吹き飛ばす…
物凄い突風を身に受け木の幹に勢い良く背をぶつけたハルクは、血を吐きながら微かに唸るだけで、虚ろな瞳をしたまま顔色一つ変える事はない…
指輪から伸びた刃を地に突き刺し立ち上がると、フラフラと危なげな足取りで女に近寄り刃を乱暴に振るう…
女は踊るように鋭い刃を難なく交わしながら、片手で刃を受け止めそれを捻りハルクの首を狙い回し蹴り…
物凄く重い蹴りを受け後ろに後退するハルク…
そんな彼を無言で見つめると、女は風に乗り高々と飛躍…
風を味方につけた女は勢い良く地に向かって落ちて行く…
うろたえるハルクに狙いを定め、地に水平に上げた足を振り下ろした…
その攻撃を避ける事なく身に受けたハルクは地に倒れ、ガクガクと体が悲鳴を上げていてもそれでも尚戦おうとしていた…
血を吐きながらボロボロの体のハルクと、無傷で疲れの色一つ見せない余裕の女…
睨み合う2人の力の差は歴然だった…