BLACKNESS DRAGON
~希望という名の光~
灰色の、厚い雲…
木々は騒ぎ、
風は唸る…
邪悪な雰囲気を漂わせる雲の下、3人の人物が、得体のしれない物質へと剣を振り、魔法を唱え、拳を振るう…
倒しても倒しても減る様子のないヘイトゥリッド・サロウの群…
しかしそれを、諦める事なく倒し続けていた…
その様子を、遠くで見ていた者…
アスカは、華麗な剣さばきで敵を倒すシュウを見つめていた…
素早く身をこなし、剣を振るう…
敵の攻撃など、当たりもしない…
何体ものヘイトゥリッド・サロウと戦っていたはずだ…
しかし、彼の体には、傷1つ見あたらない…
アスカは、灰色の雲を見上げ、空気を吸い込むと、自らの腰に刺す刀へと手をかけ、どこかへ歩いて行った…
「フーン……どうした事か…」
サラは、高く結んだオレンジ色の髪を、クルクルと指に巻きつけながら、
ヘイトゥリッド・サロウの集団の中に姿を消したアスカを見つめ、呆れたようにため息を吐いた…
そこへ…
「ヤァァァアァァー!」
「ん?」
ドガァァァーン!
物凄い轟き音…
地面が凹み、茶色の土が飛び散る…
一撃で仕留めようと、力強く振り下ろした右足…
サラへと攻撃を仕掛けたのは、マリンである。
窪んだ地…亀裂が走るその地面…
そこには、標的の姿はない…
「っ……」
辺りを見回すマリン…
どこにもその姿は見当たらない…
先程の攻撃の影響か…
立ち上がるマリンは、ふらついているように見える…
そんなマリンへと近づく闇の陰…
「……!」
「フフ…」
頭に突きつけられた、指のような物…
背後から近づいたサラは、マリンの頭へと、人差し指を突きつけていたのだ…
何をする気なのか…
彼女の力が何なのか…
情報はない…
何も、知らない…
そんなマリンは、身動き1つとれず、固まる事しかできなかった…
高鳴る心臓…
額に、冷や汗が浮かぶ…