一人こっくりさん
第十五章 真実
 数分前……。

 俺がソファーに横になり体を休めていると部屋のドアが勢い良く開いた。

「チイラ?」

 そうして入ってきたのはチイラだった。

『これ、お兄ちゃんが――』

 チイラはそう言って俺に分厚い本を手渡した。

「なんだこれ?」

 俺は本を見た。
 分厚い黒い表紙に、赤い文字で
〔一人こっくりさん〕
と書いてあった。

「えっ」

 タイトルを見て、俺は本を開いた。

〔一人こっくりさんは、
 遊び半分でやってはならない。
 もしやるなら、必ず手順通りにし、しっかり終わらせる事。
 そうしないと、取り返しのつかない事になります。〕

 ああ……俺は今、取り返しのつかない事になってるんだ。

 さらに下の文を読むと、興味深い事が書いてあった。

〔この本には、こっくりさんを消す方法も記載しています。
 その方法ならばこっくりさんを消す事が可能です。〕

「何っ……!!?」

 消す方法!?
 そんな事が出来るのか!?

 俺はその方法が載っているページをひたすら探した。

 そして――見つけた。

〔こっくりさんを消す方法〕

 と書かれたページを。
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