ショコラ~恋なんてあり得ない~
「忘れものだぞ」
「ありがと。行ってきます」
なんとなく、背中を押された気分で胸がはやる。
彼を捕まえよう。
そして、お礼を言わなくちゃ。
宗司さんの感想、嬉しかった。
あたしの事分かってくれてるのが、とてつもなく嬉しかった。
あたしがマサを好きだなんて、誤解よ。
好きなのは、あなた。
言ってもいい?
あたしもう、言ってしまいたい。
だって、またあなたが来るか来ないか悩む日々を送るのなんてイヤだ。
当たり前みたいに傍に居て、笑ってくれる存在になって欲しい。
「宗司さんっ!!」
大きな背中が振り返る。
あたしを見つけたら、驚いたように目を丸くして、それから笑う。
ほら、予想通りに。