そら。―HAPPY STORY―
天然天使である夏美が、必ずベタな展開を持ってくると思った。
「俺ん家だから。朝ご飯、食うだろ?」
しばらく夏美は目をぱちぱちしていたが、
一気に眠気の覚めたごとく
「うわあぁぁぁっ!!」
例えるなら…「あたし昨日あんなことしちゃったんだーっ」みたいな感じ。
いや、何もしてないけどな?
「ひぁっ…あ、頂きます」
礼儀だけは抜かさない。
そういえば、夏美の家系は礼儀と和の家だ、と聞いたことがある気がする。
「んー、美味しい。どうしたらこんなトロトロになるの?」
「大袈裟だな。経験だよ、経験」