そら。―HAPPY STORY―

天然天使である夏美が、必ずベタな展開を持ってくると思った。



「俺ん家だから。朝ご飯、食うだろ?」



しばらく夏美は目をぱちぱちしていたが、

一気に眠気の覚めたごとく


「うわあぁぁぁっ!!」



例えるなら…「あたし昨日あんなことしちゃったんだーっ」みたいな感じ。


いや、何もしてないけどな?


「ひぁっ…あ、頂きます」


礼儀だけは抜かさない。

そういえば、夏美の家系は礼儀と和の家だ、と聞いたことがある気がする。



「んー、美味しい。どうしたらこんなトロトロになるの?」


「大袈裟だな。経験だよ、経験」











< 96 / 152 >

この作品をシェア

pagetop