す れ ち が い
そこにいたのは 利樹くんだった。
利樹くんは私の方を向くと、笑顔で手を振ってきた。
その手には、あの写真があった。
「あのさー。この写真のことなんだけどね、
実はオレ、嘘ついてたんだよね。」
「・・・は?嘘?」
「うん。実はこいつ・・・」
「うっ・・・うん・・・。」
いきなり利樹くんが深刻そうな顔をするから少し焦った。
そしてゆっくり利樹くんが話すのを待った。
「実はさ、こいつ、妹じゃないんだ。」
「・・・え? えぇっ?!
じゃあお姉ちゃん?!」
「いや・・・。姉でもないんだ・・・よね・・・。」
「は?!じゃあ何?!
利樹くん、他人の写真持ち歩いてるの?!」
「いやいやいや!!ちがうから!
他人でもないし!」