ヴァンパイア王子~覚醒のblood~
「茜!?」


もう一度、大きな声で叫ぶ。


太陽が沈み、暗い闇の手が広がっていくようだった。


薄闇の中で、必死に茜を探した。


探し始めてから、すでに数時間が経過していた。

空が漆黒に染まるほど、黄色い月の明かりが際立っていく。


「茜!!」


声が枯れるまで何度も叫んだ。


嫌な予感がして、胸がざわついていた。


その時、携帯のメール着信音が川辺に鳴り響いた。


茜かもしれない!


怜央はそう思って、急いで携帯を開いた。


メールを見て、背中が凍りつく。


そのメールは生徒会執行メンバーからのグループメールだった。

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