ヴァンパイア王子~覚醒のblood~
【本日21時、校庭で生贄(いけにえ)の儀式が執り行われるので、全員参列するように。なお、儀式前に学校に着いても結界が張られているため、中には入れない。時間通りに来ることを薦める】


生贄?


結界?


嫌な予感は確信へと変わっていく。


生徒会執行メンバーは全員死んだ。


じゃあ、このメールの送り主は誰だ?


予想していた最悪のシナリオが、現実のものとなっていく。

怜央は立ったままずっと、暗闇で闇色に染まった流れる川の水の動きを見つめていた。


心が蛇のようにくねくねと暴れ動いていた。


それが怒りなのか、絶望なのか、自分でも分からなかった。


学校に行けば、自分は人間ではいられなくなる予感があった。

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