ヴァンパイア王子~覚醒のblood~
―――――――……


廊下に張り出された、クラス分けされた名簿を見て、怜央と同じクラスになれた茜は周りに気付かれないように小さくガッツポーズをした。



「あー!あたし神無月怜央君と一緒のクラスだ!」


「嘘!ズルイ!」


まだ名前も知らない女子達が怜央の名前を口にしたことで、茜はびっくりして後ろを振り返った。


(もう怜央ちゃんの名前知れ渡ってる! やっぱり心配した通りになっちゃったよ)


怜央と同じクラスになれたかなれないかで一喜一憂している女子達を見て、茜はがっくりと肩を落としたのだった。



そして噂の種になっている当の本人―怜央は、式のあと先生に呼ばれていたためこの場にはいなかった。



(でも一緒にクラスになれたし! 同じ学校にも入れたんだし! これからだよね!)



茜が早く一緒のクラスになれたことを怜央に伝えたくてウズウズしていると、階段近くから女子の歓声が上がった。
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