ヴァンパイア王子~覚醒のblood~
「10ダラスだな」


静かな店内に、店主の声が一声落ちた。


……10ダラス。


そう言われてもレオにはダラスがどれほどの通貨価値があるのか分からなかった。


「二つでか?」


日向が不満気に言う。


「そうだ。二つで10ダラスだ」


「それは安すぎるんちゃいますか。
これは王宮にあった物やで。もっと高いはずや」


レオは、日向の言葉に驚いた。


どうやら日向は通貨価値が分かるらしい。


レオが眠りについている間に、バドは日向に色々なことを教えていたようだ。


「王宮の物だろうが関係ない。これは10ダラスだ」


「そこをもう一声!50ダラスでどうや!」


「馬鹿いえ!そんなに高い値がつくか」


「じゃあ別の質屋にいってもいいんやで。
別の質屋だったらもっと高く買ってくれるはずや。
なんせ本物の王宮のもんやで。
おっちゃん後悔しても知らんで」


「なに…本当に本物なんだろうな。
……20ダラスでどうだ」


「40ダラス!」


「25だ!」
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