ヴァンパイア王子~覚醒のblood~
白熱する二人に、レオはついていけなかった。


なんだか長くなりそうだったので、レオは放っておいて店内を物色することにした。


壁はショーケースとなっていて、ガラスの内側に様々な物が売られていた。


宝石や衣服、鹿の角(つの)のようなものや、よく分からない置き物まである。


それらの中で更に厳重に保管ガラスのケースに入れられている物があった。


それは透明な瓶の中に入れられていた。よく見えず、レオは顔を近づけてみた。


そして、瓶の中身が何であるか分かると、レオはぞっとして一歩後ずさった。


瓶の中には人間の臓器や指、目玉などが入れられていた。


途端に店主や店そのものに対して嫌悪感でいっぱいになり、日向を連れて店を出ようとすると、ちょうど値段の折り合いがついたようだった。


日向は笑顔で「おおきに~」と言って店を出た。


レオは黙っている。


「レオ、やったで!こんなにもろた!」


日向は得意げに、先ほどレオの衣服を売って得たコインを見せた。


青白くなっているレオに気付き、日向の顔から笑みが消える。
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