ヴァンパイア王子~覚醒のblood~
「どないしたん?」


「……人間の臓器が売ってあった」


「え!? 
でも人間の臓器や血を売ることは禁止されてるはずや。
前は禁止されてるって言っても裏社会では当然のように取引きがあったらしいけど、ラシードが王になってからは厳しく罰せられてなくなったはずやで」


「でも、あった」


「おかしいなぁ。
こんな普通の店に堂々と置けるものじゃないはずやねんけど……」


「もしかしたら人間のじゃなかったのかもしれない。
身体の一部だったし。
魔族のとか」


「魔族の物の方がありえんと思うけど……」


二人は下を向いたまま考え込むように黙り込んでしまった。
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