ヴァンパイア王子~覚醒のblood~
すると、ぎゅるるるる~という間の抜けた腹の音が鳴り響いた。


「こんな時に緊張感のないやつだな」


レオが侮蔑するように言うと、日向は怒って反論した。


「今の俺やないで!」


「嘘つくな! じゃあ誰の腹の音だよ!」


「レオのだろ!」


「はあ!?」


そしてまた、ぎゅるるる~という腹の音が二人のお腹から聞こえた。


今度はお互い自覚があるらしく、自分のお腹を見つめながら二人は黙った。


「とりあえず食いに行こか」


「そうだな」


そして二人は呆気なく言い争いをやめ、一番近くにあった飲食店と思われる店の中に入っていった。
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