ヴァンパイア王子~覚醒のblood~
「へぇ~、それで、30ダラスってどれくらいの価値があるんだ?」


「……知らん」


「は!? お前、10ダラスは安いって言ってたじゃないか!」


「そんなん常套句やん! 
質屋なんてとりあえず安いって言って値段を引き上げていくのは関西人の常識やで!」


「いや、それはお前だけの常識だろ。
お前と一緒にされちゃ関西人がかわいそうだ」


「なんやと!?」


「それより、通貨価値が分からなかったら何が買えるか分かんないだろ!
どうすんだよ、店入っちゃったぞ!」


「まあまあ、こういう時はな……」


日向は話の途中であるにも関わらず、「おい、おっちゃん!」とまた何歳か分からない相手をおっちゃん呼ばわりして店員を呼び出した。


レオはどうするのかハラハラしていた。


「これで食べれるだけ持ってきて」


日向は店員に30ダラスを渡した。


店員は30ダラスを受け取ると、黙って頷いた。


「お前、頭いいな」


「やろ?」


日向は得意げに言った。
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