ヴァンパイア王子~覚醒のblood~
いつもの教室。
見慣れたクラスメイト達。
何も変わらない。
変わっているはずがない。
それなのに、茜はキョロキョロと教室を見回した。
まるで、そこにいるはずの誰かを探すように。
自分の席に座り、机に通学鞄を置いた。
なぜかため息が零れる。
ふと左隣の机に目がいった。
窓際の前から二番目のその席は、誰にも座られず、みんなから存在を忘れ去られたかのようにポツリと置かれていた。
その机を見た途端、胸がぎゅっと握りつぶされたかのように苦しくなった。
切なくて、愛おしくて、悲しい。
そこにいつも座っていた誰かの影を一瞬思い出し、そしてすぐに消えた。
けれど、心の動揺は続いていた。
机を見ているだけで泣きそうになる。