ヴァンパイア王子~覚醒のblood~
「今回犠牲になった女子生徒は生徒会所属の二年生だ。

死亡推定時刻は真夜中の2時。こんな時間に学校にいたこと事態がおかしいし、皆が知っているように死亡原因は出血死だ。

血は身体のどこからも溢れ出ておらず、見つかった時はまるで寝ているように死んでいたそうだ。

そして……、これは公には発表されていないことなのだが、亡くなった女子生徒の制服がはだけていたらしい。

まるで誰かに乱暴されたようにな」


沈黙が重くのしかかるように、誰もが口を開けずにいた。


他殺……。


この恐ろしい響きは、腹の底に冷たい塊がズドンと落ちるように重苦しい。


「……今回、と言いましたね。

赤銀先生は、また殺人事件が起こると考えておいでなのですか?」


怜央の言葉に、赤銀は嬉しそうに顔を綻ばせた。


「ああ、そうだ。この事件は始まりにすぎない」


「その理由は?」


「警察も校長も、殺人事件だと頭では思っていても、声高に宣言することはできない。

もし仮にこの事件が殺人事件だとしたら――まあ間違いなく殺人事件だが、犯人が捕まっていない以上、第二の事件が起こるかもしれないと思うのは当然だろう?」

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