ヴァンパイア王子~覚醒のblood~
「事件のことは分かったけどな、なんで俺らが犯人捜しせなあかんねん」


日向が面倒臭そうに言った。


「私だけでは生徒達の動向を把握できないからね。

生徒会という絶対の権力がこの学園にある以上、使おうと思うのは悪いことかい?」


「でも、もし犯人捜しをしていることがバレて、僕たちが狙われることになったら……」


假屋崎は眼鏡をくいっと上げて言った。
どうやら眼鏡が顔に合わず大きすぎるらしい。何度も眼鏡を直している。


「もちろんこれは任意よ。やりたくない人はやらなければいい。

ただ、生徒会がこの事件を担当すると決まった以上、やらない方は生徒会を辞めていただきます」


生徒会長の鋭い眼差しと冷たい物言いに、假屋崎はしゅんと肩をすくめた。


生徒会の椅子と天秤にかけるとは、これでは脅迫だ、と怜央は思った。
< 46 / 370 >

この作品をシェア

pagetop