ヴァンパイア王子~覚醒のblood~
赤銀が顎で合図すると、藤崎はおぼつかない足取りで、よろよろと赤銀から離れていった。
目は朦朧としていて、第三ボタンまで開いたシャツを隠そうともしない。
まるで人形のように生気がない顔で部屋の隅に行き、首(こうべ)を垂れる。
「酷い顔だな神無月。
俺のプレゼントは格別の香りがしただろう?」
魅惑的な双眸を怜央に向け、薄い唇を不気味に歪ませた。
「プレゼント?」
怜央は藤崎から香る発情期の雌のような匂いにむせ返り、壁に手をついて立っているのがやっとの状態だった。
赤銀は、全てを見通したような笑みを浮かべ、椅子から立ち上がるとゆっくりと怜央に近づいていった。
「酷い顔だな。真っ青だぞ。
咽が乾いて仕方ないんじゃないか?」
赤銀は長い指で、真珠の粒のように浮き上がっている怜央の額の汗を掬(すく)った。
抵抗しようにも、体に力が入らない。
怜央は赤銀を睨みつけるだけで精一杯だった。
目は朦朧としていて、第三ボタンまで開いたシャツを隠そうともしない。
まるで人形のように生気がない顔で部屋の隅に行き、首(こうべ)を垂れる。
「酷い顔だな神無月。
俺のプレゼントは格別の香りがしただろう?」
魅惑的な双眸を怜央に向け、薄い唇を不気味に歪ませた。
「プレゼント?」
怜央は藤崎から香る発情期の雌のような匂いにむせ返り、壁に手をついて立っているのがやっとの状態だった。
赤銀は、全てを見通したような笑みを浮かべ、椅子から立ち上がるとゆっくりと怜央に近づいていった。
「酷い顔だな。真っ青だぞ。
咽が乾いて仕方ないんじゃないか?」
赤銀は長い指で、真珠の粒のように浮き上がっている怜央の額の汗を掬(すく)った。
抵抗しようにも、体に力が入らない。
怜央は赤銀を睨みつけるだけで精一杯だった。