ヴァンパイア王子~覚醒のblood~
「女子生徒を殺したのはお前か?」


「犯人を捜し出すのは君たちの役目じゃなかったかな?」


「お前が勝手に押し付けたんだ」


赤銀は是(ぜ)とも否(いな)とも言わなかった。


ただ、怒りを露わにする怜央に満足そうにほほ笑むだけだった。


「お前は何者なんだ?」


怜央が聞くと、赤銀は、ほうと感心したように目を細めた。


「俺が普通とは違うと思うのか?」


怜央は頷いた。


「お前からは匂いがしない」


「嗅覚が覚醒し出したか。俺は何者だと思う?」


「分からない……。でも、人間では、ないと思う」


赤銀は嬉しそうに頬を緩めた。


対して怜央は、非科学的なものを一切認めずに生きてきたので、人間ではないものを認めるのは苦痛を伴った。


本当は認めたくない。


けれど、目を背けることができないほど、赤銀という存在は異質だった。
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