ヴァンパイア王子~覚醒のblood~
「俺が何者か知りたければ、自分が何者かを知ればいい」


鼻と鼻が触れそうなほど、赤銀は怜央の顔に近づいて、吐息を吹きかけるように言った。


まるで謎かけのような言葉だった。


自分が何者かなんて考えたこともなかった怜央は、顔をしかめて睨みつけた。


「俺は俺だ。

お前とは関係ない」


怜央の言葉に、赤銀は馬鹿にしたような笑みを見せた。


それが怜央にはいちいち腹が立って仕方ない。


「君の両親は何も教えてくれなかったようだな。


下等な人間共と生活して頭まで腐ったか。人間なんて餌でしかないのに。


家畜と一緒に生活しているなんて、よく耐えられるものだ」
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