ヴァンパイア王子~覚醒のblood~
悔しいが、抗えないほど魅惑的な匂いがした。
白い首筋が、肉汁の滴るステーキのように見える。
そして自分は数年間何も食べていなかったかのような酷い空腹感に襲われた。
白い首筋から浮き上がる、赤い血管。
体がその血を欲していた。
抗うことなんて不可能なほど。
怜央の瞳は紅くなり、その双眸は首筋一転を見つめていた。
頭の隅で警告が鳴り響く。
……こんなの、普通じゃない。
美味しそうだなんて、普通の人間は思わない。
絶対、ダメだ。ここに口を付けたら戻れなくなる。
芳しい匂いに、怜央の理性は靄のように薄く消えていき、口からは二本の長い犬歯が生えていた。
怜央が藤崎の首筋に、いつの間にか長くなった犬歯を這わせてた時――
白い首筋が、肉汁の滴るステーキのように見える。
そして自分は数年間何も食べていなかったかのような酷い空腹感に襲われた。
白い首筋から浮き上がる、赤い血管。
体がその血を欲していた。
抗うことなんて不可能なほど。
怜央の瞳は紅くなり、その双眸は首筋一転を見つめていた。
頭の隅で警告が鳴り響く。
……こんなの、普通じゃない。
美味しそうだなんて、普通の人間は思わない。
絶対、ダメだ。ここに口を付けたら戻れなくなる。
芳しい匂いに、怜央の理性は靄のように薄く消えていき、口からは二本の長い犬歯が生えていた。
怜央が藤崎の首筋に、いつの間にか長くなった犬歯を這わせてた時――