蹴球魂!!!!
「そう??何かあったら絶対言ってね??」

「う…ん。ありがと」


やっぱり、聞けない。


もしも胡桃が思い出したくない事だったら、あたしは聞いちゃいけないよね。

胡桃と晃汰の中学で何があったのか、気にならないって言えば嘘になるけど…。


てゆーか、凄く気になるけども!!!!


聞いちゃ、駄目だよね。


「んー??なんか変な円っ」

いつか、話してくれるその時まで、あたしは大人しく待っていよう。

それまでは、心の奥にしまっておく。


「まーちんーっ!!部活行こーっ!!!!」

「あ、うん!!」


ボーッとしてたらいつの間にか放課後になっていて…。

俊介の言葉で、あたしは現実に引き戻された。


「今日の英語さ、先生凄ぇ元気だったよな!?」

「確かに!!あれは異常じゃない!?」

「だな!!晃汰は寝てたから覚えてないだろ??」

「英語なんて、寝るための時間だろ」

「えぇ!!駄目じゃん!!!!」

「晃ちん寝てたのー!?…寝顔、見たかった」

「ホモ。クソホモ」


4人で他愛もない話をしながらグラウンドへ向かう。

いつも通りの皆。


昼休みに涙を溜めていた晃汰も、いつも通りの憎まれ口を叩いていた。


まるで、あたしが見た涙は幻だったかのように…。


「今日から大会まで、大会メンバーと他の部員は別メニューで練習だから、大会メンバーは帰る時間遅くなるぞー」


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