蹴球魂!!!!
…なんで??


“うるさい”

晃汰は、それだけ言ってその場を去ってしまった。


何か、あったのかな。


晃汰は、胡桃と同じ中学だったから…胡桃の、大事な思い出を知ってるからかな??


…でも。

それなら、あの涙は…何??


胡桃は、ただ懐かしそうに笑って、思い出って言うだけだった。

切なげな表情は、きっと中学が恋しくなるから。


あたしだって、中学が恋しい。

高校は、凄く楽しいけど…中学の友達と、また馬鹿みたいに大騒ぎしたい。

きっと、胡桃の思いもそうだと思う。


晃汰は…何があったの??


中学で、何かつらい事があったのかな…??

…胡桃に、聞いてみようかな。


ーキーッ


重い扉を開けると、胡桃が笑顔で迎えてくれた。

「トイレ長かったね!!…スッキリ??」

「ちょ、胡桃下品だよ!!!!」

胡桃のセリフとは思えない…。どうしたんだろ??汗


「あはははは♪」


…駄目だ。聞けないよ。


屈託なく笑う胡桃を見て、心が軋む音がした。

まるで、“聞いちゃ駄目”って言ってるようだった。


「…??どうしたの??」

首を傾げる胡桃に、あたしは…

「何でもないっ☆」

そう答えるしかなかった。
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