蹴球魂!!!!
そこには、真剣な眼差しでピッチを見つめる晃汰の姿があった。

「浜口くん、もうやる気充分って感じだね♪」

「うん…。そだね」

晃汰の視線の先にいたのは、初戦の相手。


県では結構弱いチームだから、多分あたしたちが勝つと思う。


そんな甘い考えでいたら、晃汰に怒られた。

「お前さ、今“相手は弱ぇから、余裕で勝てる”とか思っただろ??」

「え…!?なんでそれ……!!」

「そんな考え、本物のサッカーじゃ通用しねぇよ??」


…え??


「サッカー…つーか、スポーツって言うのは、何が起きるかわかんねぇんだよ。だから、鷹をくくっちゃいけない」

そっか…。

「あたし、何にも知らなくて…ごめん」

「別に。じゃあ俺、もうアップ行くから」

「あ、うん。頑張って!!」


晃汰は、そう言って、皆の待つピッチへ急いだ。


「ちょっと円さーん…いい感じじゃんっ♪♪♪」

「く、胡桃!!」


あたしはその後、試合が始まるまで、キャラが崩壊した胡桃と、キャーキャー騒いでいた。


「私が思うに、浜口くんは円が好きなんだよっ!!」


不意に胡桃が発した、この言葉。

あたしはそれを理解するのに、だいぶ時間を使った。


「って…。えぇぇぇぇ!?!?!?!?」


胡桃、何言ってんの!?!?

晃汰が、あたしを!?


本当だったら嬉しいけど、あるわけないじゃんっ!!!!
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