蹴球魂!!!!
「だってあたし、いつも晃汰に馬鹿にされてるじゃん」

「そんなの、好きだからに決まってんじゃん☆」

「ぅえ!?」


すすすすすすす……好き、ですとぉーっ!?!?


なんて騒いでいたら。


ーピッ ピッ ピーッ

「只今の試合は、1-2で…」

流れてくるアナウンスに、先輩たちが歓声をあげる。

気付かないうちに、初戦終わっちゃった…☆けどっ!!!!

「初戦突破ーっ!!!!」

「「うぉぉぉぉ!!!!!!!!」」


先輩たちがピッチで喜んでいる所に、ベンチにいた人たちもなだれ込む。


そんな中、あたしは…あたしたちは行けなかった。


3人が、あまりにも悔しそうな表情をしていたから。

70分間の試合(高校サッカーの試合時間は70分)で、1度もピッチに入れてもらえなかった3人。


大輔先輩や唯斗先輩たちを中心とした2年生は、何人か試合に出てた。

でも、1年生は0。

誰1人、試合に出してもらえなかった。


「明後日には2回戦があるから、気を引き締めておくように!!」

「「はい!!!!」

「じゃあ、解散!!」


部長の言葉で、まばらになっていく部員。


「ごめん、円…。マネージャーの仕事あるから、一緒に帰れない…」

「そっか…わかった!!頑張ってね♪」


今日は1人で帰ろうかな。

そう思っていた時だった。


「円、一緒に帰んねぇ??」
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