蹴球魂!!!!
ーガタン ゴトン…

電車に揺られながら、あたしの頭は晃汰でいっぱいになっていた。


あたしの目の前に立って、吊り革に掴まってる晃汰。

やっぱり、なんかありそう。


眉間にシワを寄せて、何かを考えてる。


ースッ

隣に座ってたサラリーマンが、席を立った。


「っ…」

晃汰を見ると、晃汰はゆっくりとあたしの隣に腰を降ろした。


ードクン ドクン…

心臓が、うるさい。


「「あのさっ……!!」」


覚悟を決めたあたしが出した声は、晃汰の声と重なった。


「あ…晃汰から…どうぞっ…」

あたしは恥ずかしくて、晃汰から視線を外しながらそう言った。


ードクン ドクン ドクン…


もう…どうしようっ…!?

ドキドキしすぎて、頭がおかしくなりそうっ……!!


「いや、お前から、話して」

「え、でも…」

「いいから。話して」


晃汰の吸い込まれそうな黒目に負けて、あたしは口を開いた。


「あたしっ……」


ードクン ドクン ドクン…

どんどん速くなる鼓動が、あたしの声を震わせる。


…ここまで来たら、言わなくちゃ。
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