蹴球魂!!!!

Game26

夕日が照らす中、ローファーの靴音だけが聞こえる。

2つの影は、近すぎず遠すぎない、そんな微妙な距離を保っていた。


“円、一緒に帰んねぇ??”

晃汰は照れながら、でも、はっきりとそう言った。


今までは、特に何も言わなくても一緒に帰ってたあたしたち。

急に改まって言うなんて…。


何かあったの??

しかも、何故か俊介も飛鳥もいないし…。


……こんな時に限って、あたしの不安は当たるんだ。

……神様は、あたしの事、嫌いみたいだね…。


「……。」

駅までの道のりの間、晃汰は口を閉じたままだった。


…長めの焦げ茶色の髪は、さっきの応援で少し乱れていて。

…あたしより何10cmも高い身長、何10cmも大きい歩幅。


ードキン…


…晃汰って、こんなに…

かっこよかったっけ……??


「円、座れよ」

「う、うん」


いつもなら絶対譲ってくれない電車の座席。

なのに今日は、当たり前のように譲ってくれた。


…もしかして……??


“浜口くんは円が好きなんだよっ!!”

あの時胡桃に言われた言葉がフラッシュバックする。


もし、そうなら…。


晃汰の行動も、言葉も…。

…つじつまが…合う。
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