蹴球魂!!!!
「まーちん、特訓の成果出たな♪」

俊介は、そう言って自分の事のように喜んでくれた。


「円、お疲れさんっ!!」

飛鳥は、そう言ってタオルを渡してくれた。


ーザッ


不意に、晃汰が立ち上がった。

晃汰も何か言ってくれるのかな…??


「おい」


頭上から降ってくる低い声。

「な、何でしょう…??」

ビクビクしながら顔をあげると、そこにはやっぱり晃汰の顔。

…怖っ!!!!


「…軸」

「へ??」

「軸ブレすぎ。安定感なさすぎ。」

「んなっ!!!!」


ムカつく!!!!


「簡単に言うと、下手くそ」

「…は??」


いや、わかってますが。

下手くそってわかってますが。

ムカつく。ウザすぎる!!!!


何だこいつ、黙って大人しくしてみたら、マシンガンみたいにダメ出しばっかりしやがって!!

晃汰にこんなイライラするの、いつ以来!?


「っ…下手くそな事ぐらい知っとるわ!!」

「でも、下手なりに頑張ってたんじゃね??」

ードキン


晃汰はそれだけ言って、向こうへ行ってしまった。


あたしの胸の高鳴りが収まる頃には、真っ赤な太陽が沈みかけていた。
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