蹴球魂!!!!
そーっと部屋を出るあたしたち。


ーグゴォー グゴォー…

様々な所から、物凄いイビキが聞こえてくる。

…そういえば、俊介は静かに寝てたなぁ。


「先生にさえバレなきゃ大丈夫だろ??」

「きっとあの人の事だから、一番に寝てるでしょ」

「え、ちょ、本当に行くの!?」

「「シーッ!!静かに!!」」

「あ、あい…」


…怖いよー……!!!!


ーカチャッ


民宿を出て、3人で外に出る。

月明かりがあたしたちを照らして、出来た3つの影はもどかしい距離を保っていた。


ートクン


心臓が、激しく動く。

切なくて、苦しくて、おかしくなりそうで。


そんな時、急に手を握られた。


「頼む…このままでいて…」

切なそうに顔を歪めて、消え入りそうな声でそう囁いた飛鳥。

「っ!!」

戸惑って晃汰の方を見ると、晃汰はボーッと月を眺めていた。


飛鳥の手を振り解く勇気も、

晃汰に助けを求める勇気もなくて…。


そのままの状態で、夜の海へと歩いた。


ーザァン… ザァン…


海は暗く、黒くうねっていた。

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