蹴球魂!!!!
そのまま、ずっと側にいてくれる飛鳥。

その温もりが、あたしにとって何よりの救いだった。


「でも」

不意に口を開いたのは、飛鳥だった。

「円はこのメンバーってなった時、晃汰の事考えた??」

「え…??」


晃汰の、事…??


「鈴木さんが来る事で、晃汰がどんな思いをするか」

そう、だ…。

「更に、唯斗先輩とのいちゃつく所を見る事で、晃汰がどんな思いをするか」

何も、何一つ考えてなかった。


自分の事でいっぱいで、周りが全然見えてなかった。


“晃汰がどんな思いをするか”

そんな事、頭を掠める事すらしなかった。


ーズキン


今更気付くなんて。

飛鳥に言われて、やっと気付くなんて。


あたし、最低だった…。


「円」

「…??」


後悔で肩を震わせていたら、優しい声が聞こえた。


「ちゃんと謝れば、わかってくれるんじゃね??」

「でも…」

「確証はないけど、晃汰ならわかってくれるから」

「っ……!!」

「FWとMFが仲悪かったら、試合も上手く機能しないだろ??」


…飛鳥、ありがとう。

「あたし、ちゃんと晃汰に謝る」

子供でごめんね、世話焼かせてごめんね。

「うん、頑張りな??」


こんなあたしを支えてくれて、ありがとう。
< 205 / 394 >

この作品をシェア

pagetop