蹴球魂!!!!
誰…??


そう思って画面を見れば、予想しなかった人からのメールだった。


〈森山 飛鳥〉


え??このタイミングで…??

どういう事…??


驚きのあまり、まるであたしだけが世界から切り離されたかのように、周りの音がスッと消えた。

周りの景色も消えて、ケータイの無駄に明るい画面だけがぽっかりと浮かんだ。


…読もう。


意を決して、飛鳥からの受信メールを開く。


〈件名:家帰ったら読んで〉

「えっ…えぇぇ!?」


家帰ったら…って、だったら今メール送る必要なくない!?

気になるじゃん!!!!

しかも相手は…飛鳥だし。


「円ぁ??何1人で大声出してんの??…って、その顔芸人か!!」

「は!?失礼すぎるでしょそれ!!!!」

「いや、見たままの感想だし」

「それ激しく傷つくよ??」

「あっそ」


…“あっそ”って、それはないと思うよ、晃汰くん。


次第とざわめきを取り戻す音。

色を取り戻す景色。


「んな所突っ立ってないで…行くぞ」

「…ん!!」


あたしは晃汰に笑顔を見せて、パタンとケータイを閉じた。


顔を背ける晃汰の耳が赤い気がしたなんて…ちょっと自意識過剰??

でも、その耳は真っ赤に見えたんだ。
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