蹴球魂!!!!
晃汰の隣に並んで歩く。


頭1個分は余裕である身長差。

凛としたその横顔は、何故か少し曇っていて。


「なんか悩んでるの??」

気付くと口が勝手に動いていた。

「は!?んなワケねぇじゃん!!」

そう言ってプイッとそっぽを向く晃汰。


また、赤いよ…??


「俺、この間、お前が自慢してた小学校の近くの川行きたい」

突然の晃汰のお願いに、あたしは目を丸くした。

「あんなに無関心だったのに??」

「うるさい。いいから連れてけ」


ぷ。どんだけ俺様発言!?

まぁ、あの場所のあの景色を、晃汰に見せてもいい…かな。


あの場所は…いつだったか、胡桃に対して嫉妬心を抱いた時に行った、お気に入りの場所。

素直に胡桃に謝りたいって、そう思えた、大切な場所。


前に皆に地元自慢とか行って紹介したんだった。


「いいよ。行こう??」


今から行けば、ちょうど夕日が川に反射して煌めくはず。

あの無愛想な晃汰だって、絶対感動するぞーっ♪


「そうと決まれば…早く行こうぜ」

あたしの背中を押して、早く早くと催促する晃汰。


なんか今日の晃汰、変じゃない??


まぁ、あたしの心臓も変なぐらいドキドキが止まらないんだけどね。


「…ここだよ」


駅から歩いてしばらく経った。

小学校の裏を流れる川には、予想通り夕日が映って…キラキラ輝いていた。
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