蹴球魂!!!!
「ぶふっ。やっぱ不細工」

「うるさいよっ!!」

「悪かったって。んでさ…公園、行かね??」

「公、園…??」


それって。


「鈴木に、“放課後デート行きなよ??”って言われてさー」

胡桃ったら…やってくれやがった。


ートクン


心臓が、波を作り出す。

…あたしって、幸せ者だね。


「行くっ!!」

「了解。じゃ行くか??」

スッと立ち上がる晃汰の横顔は…心なしか嬉しそうに見えた。


「んじゃ、やるぞ」


公園に着いた途端、晃汰はカバンからサッカーボールを取り出した。

やるって…え??


「おい、亀ー。突っ立ってたら出来ねぇだろ」

「え、サッカー…するの??」

「だって、せっかく公園まで来て、FWとMFがいるんだぜ??やんねぇ方がおかしいだろ」


…そうか!?むしろそれがおかしくないか!?

って、突っ込みたかったけど、やめた。

普段は見せない笑顔でリフティングする晃汰。


まぁ、この方が“あたしたちらしい”よね??


「リフティング勝負な!!!!」

「えぇ!?」


公園にいるのは、あたしと晃汰だけ。

2人と1つのボールの影が楽しそうに飛び跳ねて、あたしは晃汰の事がより好きになった。
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