蹴球魂!!!!
「ペース上げるよ、胡桃」

「らじゃっ☆」


かわいく敬礼した胡桃。

こんなに走ってるのにそのかわいさ…もはや異常だね。

唯斗先輩が今も隣で走ってれば、もっと胡桃は速くなると思うね!!


1人、また1人。

ゆっくりだけど、前を走る人との距離を縮めて、抜いて、また次に前を走る人を抜いていく。


徐々にペースを上げたあたしたちは、いつの間にか女子のトップを走っていた。


「あと100m!!」

「「っ!?」」


先生の発した言葉に、後ろの足音が大きくなる。

やばい、このままじゃまた抜かされる!!


「ゼェッ ハァッ…」

「胡桃大丈夫??」

「ん!!あと…100だし……っ」


かなりキツそうな胡桃。

でもあと100mなら、胡桃は絶対走れる。


それに、あたしは1番にゴールして、行かなきゃいけない所がある。

早く行って、聞かなきゃいけない事がある。

面と向かって、言わなきゃいけない事だって…ある。


「ゴール!!!!」

ーパンッ パンッ パァンッ


真っ白な、ピンと張られたゴールテープを切る。

それと同時に、先生の握りしめていたピストルが鳴く。


「「ほ、本当にやりやがった…」」

って部員の皆。

それは失礼極まりないと思うぞ??
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