蹴球魂!!!!

Game64

「まーちん、くーちん、完走おめでとう♪」

「「ありがとーっ♪」」


って、そーじゃなくて!!!!


「俊介っ!!飛鳥どこ行ったの!?」

「あー森ちん??救護テントのあたりじゃないかな??」

「救護テントね!?ありがとっ」

「おい亀」

「何っ!?」


人が急いでる時に晃汰ってやつは…!!

しかも、2人は飛鳥の事心配じゃないの!?


「行ったって意味ねぇよ??」

「は…??それ、どういう事??」

「別に。そのまんまだけど」


何、それ。

いくら晃汰だからってそれはないでしょ!?


「わけわかんないけど、とりあえずあたしは行くから」


あたしがそう言って振り返ろうとした時、視界の端に、下唇を噛んだ俊介の顔が見えた。


「…なぁ」

走り出す直前、晃汰に声をかけられた。

「俺より飛鳥を、選ぶわけ??」


…は??


「今、そういうの関係ないでしょ!?」

「っ…もう知らねぇよ!!!!勝手に行きたきゃ行け!!!!」

「…最低」


今日の晃汰は絶対変だよ。

いつもならそんな事言ってくれないくせに…。


あたしを行かせたくない理由って何??

飛鳥の所に行かせたくない理由って何??


「「………。」」

その場がシンと静まる。


あたしはその静寂を背に、救護テントへ走った。
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