蹴球魂!!!!
澄み渡る青空の下。

どこまでも続くかのようなマラソンコースと、それを挟むように連なる土手。

生徒たちはそれぞれ集団を作って、お昼ご飯を取ろうとしていた。


「あ、あーひん(まーちん)…!!」

救護テントまでの道を反対方向に走っていると、大きなメロンパンを咥えた俊介に出くわした。

「しゅっ、俊介…。晃汰、知らない??」

走ってたから、言葉が上手く出てこない。

途切れ途切れのあたしの言葉に、俊介の肩がビクッと跳ねた。

「晃ちん…今、超不機嫌だよ…」

「やっぱり不機嫌かぁ…」

「まぁそうだよ。大好きなまーちんが森ちんに取られちゃったんだもんねぇ??」

「え??あたし、別に飛鳥を選んだわけじゃ…」

「でも、あの場でキレて、森ちんのほう行ったでしょ??」

「そうだけど、でも…」

「何話してんだよ」

「「っ!?晃……!?」」


いきなり現れた晃汰に、あたしも俊介も言葉を失ってしまった。


「こ、晃汰っ!!あの……ごめんっ!!!!」

「は…??」

「飛鳥の所に行ったのは、自分の目で飛鳥の様子を見たくて…。晃汰の言葉も信じようとしてなかった」

静まり返る3人の間の空気。

「あの時、晃汰より飛鳥を選んだ。だけどそれは、“チームメイト”として、“仲間”として行っただけだから」

「……。」

「あたしが好きなのは、晃汰…だから……っ」

「もういいって。わかった」

「え…??」

「お前が俺を好きすぎる事はよーくわかった。けど」


けど??


「ホモの前で堂々と言ってんじゃねぇよ…」

顔を赤くする晃汰。

ホモの前でって…え??


恐る恐る視線をずらすと、ニタニタと不気味な笑顔を浮かべる俊介がいた。


「しゅ、俊介…!?」

「まーちん大胆だねぇ♪ごちそうさまぁー♪」


さ、最悪ーっ!!!!
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