蹴球魂!!!!
「ってあれ??あたし、飛鳥に晃汰とケンカした事言ったっけ??」


素直に謝ってこいって言うって事は、ケンカしたって知ってるって事だよね??

あたし、飛鳥に話した記憶ないんだけど…。


「いや、言われてないよ??てかやっぱりケンカしたんだ??」

「え…」

「じゃあなんでわかったの??」

凄くない!?飛鳥ってエスパー!?

「円がそうやって不安そうにしてんのって、いっつも晃汰と何かあった時だろ??しかも青ざめてるって事は、円が何かやらかした」

「っ!?!?」

「合ってるっしょ??」

「う…うん……。キモいぐらい大正解」

「キモいとか言うなよ!!リアルに傷つくー」

「ごめんごめん☆」


でも、びっくりした。

そんな少ない、小さな変化で気付いてくれるなんて。


“そうやって不安そうにしてんのって、いっつも晃汰と何かあった時”

“しかも青ざめてるって事は、円が何かやらかした”


飛鳥って、本当にいい人だよね。


あたしの事をしっかり見てくれてるし、わかってくれてる。

欲しい言葉をいつだってくれて、いつも背中を押してくれる。

自分の幸せより、あたしの幸せを一番に願ってくれて、誰よりも応援してくれてる。


そんな飛鳥を振ったあたし。

何度も晃汰とケンカしたりして気まずくなっちゃうのは、いい人すぎる飛鳥を振っちゃった天罰なのかな??


「ほらほら。そうやってぼけっとしてると不機嫌王子が余計不機嫌になるぞー??」

「ゔ。それは非常に困る!!!!」

「俺もそんなん相手したくないから…ちゃんと謝ってきな!!」

「ん!!ありがとう!!!!」


ほら、またこうやって…。


飛鳥の優しさに背中を押されて、あたしは晃汰のもとへと戻った。
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