蹴球魂!!!!
「あーもー…タオル忘れるとか最悪!!!!」


独り言でそう言ったあたしは勢いよく、あたしたちの高校名が書かれた控え室のドアを開けた。


「「え…??」」

ビタッと、時が止まったかのように固まる身体。

誰もいないと思ってた控え室に、想像もしてなかった人影。


「しっ、閉めろ!!とりあえず閉めてくれ!!!!」

「あ、あああごめん!!!!」


バタンとドアを閉めると、中からは盛大なため息が聞こえた。


だって、誰かいるなんて思わなかったんだもん!!

仕方ないでしょ!?!?


「もう入っていいよ」

「ん、入るね」

ゆっくりドアを開けると、呆れ顔であたしから目を背けた飛鳥がいた。

「…見た??」

「あ、うん…」

「そりゃそうだよな…」


凄いヘコみよう。

そんなに見られたくなかったの??


「かわいいと思うよ??ピンクのパンツも」


フォローのつもりでそう言うと、飛鳥は更に呆れ顔で、今度はあたしを見てきた。

な、何!?


「その事じゃ…いや、それも結構見られたくなかったけど」

「うん??」

どういう事??

全然話が読めないんだけど…。

「まぁ、パンツしか見てないならいいや」

「だって一瞬だったし、やけに目立つピンクだったし…」

「もうそれについては触れないで…」

「はいー」


どういう事かわかんなかったけど、飛鳥の表情が呆れ顔から安心した笑顔になった。
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