蹴球魂!!!!
俊介と一緒に飛鳥の元まで走ると、緊張した面持ちの飛鳥がいた。


「あはは、森ちんド緊張なうー??」

「当たり前でしょ!!むしろ2人がそんな緊張してない方が信じられねぇよ」

「いや飛鳥さん、ワタシ緊張していたりする」

「飛鳥さん、俺も緊張していたりする」

「わかったわかった」


え、本当なのに!!

緊張してる飛鳥の顔見てたらこっちまで緊張してきちゃって…ってそんなの飛鳥本人には言えないけどね!?


「よし、行くぞ」

「「はい!!」」

大輔先輩の声に、部員全員が続く。


ーワァァァッ


外に出た途端、聞こえてきたのは割れるような歓声。

これが全国大会。

…どうしよう、冗談抜きで緊張してきた。


「お前らこんなんでビビるなよ」

大輔先輩は静かにそう言った。

けど、その声は微かに震えていた。


あたしたちは完全に“飲み込まれていた”。


「す、スタメン発表するぞ」

「「はい」」


選ばれたのは今までと何ら変わらない11人。

あたしも晃汰も俊介も飛鳥も選ばれていた。


「円なら行けるよ☆頑張れ!!」

「ううううううん」

「どんだけ緊張してんの!!…円らしくないよ??」

胡桃にそう言われてハッとした。

そうか、あたしらしくいればいいんだ。


ーピッ ピッ ピーッ

前の試合の終わりを告げるホイッスルと共に、負けた学校の選手たちが崩れ落ちた。


…やっぱり怖ぁぁぁい!!!!
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