蹴球魂!!!!
改めて見てみると…本当だ。

ポストに連続して、しかもボールを地面に1度もつけずに…!!


「場所も左、ど真ん中、右の順で3ヶ所にだけ」

「相当なコントロール力がなきゃ出来ないよ…ね」

「少なくともお前じゃ出来ねーな」

「んなっ!!」

言い返したい…けど、さすがに出来ない。

だって本当に凄い。


「山本 大悟(ヤマモト ダイゴ)、高校1年。生粋のストライカーで、ポジションは円ちゃんと同じFWだよ」

「「大輔先輩…!!」」

「そんでもって俺の実の弟」

……え。

「「えぇぇぇぇぇ!?!?!?」」


確かに大輔先輩の名字は山本だけど…だけど……!!


「大悟、俺より強いよ。ってゆーか、うちのサッカー部で大悟より強い奴はいないんじゃねーかな」

「あのコントロール力っすもんね…」

そう言いつつも悔しそうな晃汰。

「大悟はコントロールだけが武器じゃないよ」

「うわーお…。あたしどんだけ負けてるんだろう…」

「いやそれはコントロール力だけでも天と地の差だろ」

「ひ、ひどくない!?」

「まぁまぁ2人とも落ち着いて」


大輔先輩になだめられて大人しくなるあたしと晃汰。


「それで…先輩。奴のコントロール以外の武器って??」

「そりゃーもう…悔しいけど、スピード、ドリブル、パスセンス、決定力、持久力……。そんでもって無類の負けず嫌い」

「「うっわ…」」

話を聞けば聞くほど偉大な“山本 大悟”ってゆー選手。

「予選は大悟1人の力で勝ちあがってきたようなもんだ」

「「1人で!?」」

「だから失点も多い。けどそれをカバーしてんのがあいつだよ」


いまだボールをポストに当て続けてる大悟さん。

なんかもう…次元が違いすぎるよ。


「この試合…観客の予想は180°ひっくり返されるよ」

大輔先輩は大悟さんをまっすぐに見つめてそう言った。

この人…試合になったらどんなプレーをするんだろう…??
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