蹴球魂!!!!

Game78

「飛鳥、1年生の人数数えて」

「はい」


大輔先輩に言われて、1年生の人数を数える飛鳥。


「先輩、1年全員います!!」

「おし、じゃあ皆行くぞ!!」


今日は次の対戦相手の試合を見に来た。

何てったって次の相手は去年準優勝した学校。

今日の試合は無名の学校とその学校との試合だから、結果はわかりきってるんだけど…やっぱりプレーを生で見ないとね!!


「「ワァァァッ…!!!!」」

観客席へ着くと、すでに盛り上がっている去年準優勝校の応援団。

やっぱり違うなぁ。


「円、あっち見てみ??」

晃汰の指差す先は、反対側の観客席…無名校の応援団。


シーンと静まり返って、誰もピッチを見ていない。

うわぁ…こんな中で選手たちはプレーするの??

「誰も応援しようとしてないね…」

「違ぇよ馬鹿」

「え」

違う??どーゆー事??


「あっちの高校の10番」


晃汰が指差した10番を見ると、1人でひたすらシュート練をしていた。

だけど…。

「1回もゴールに入ってないよ??」

それの何を見ろと??

「…はぁー」

「え、ため息っすか!?」


晃汰は“呆れた”とでも言うかのような顔でじろっとあたしの目を見つめた。

え??え…え、えぇ!?


「わざと、だよ」

「わざとってどーゆー事??わざと外してるの??」

「あぁ、それも必ずポストにだけ当ててる」

「っ!?!?」
< 386 / 394 >

この作品をシェア

pagetop