蹴球魂!!!!
あたしは、恐る恐るそのメールを開いた。


〈俺、円の事諦めらんねぇや。だから、これからも好きでい続ける!!〉

ーズキンッ

あたしの心がつらそうな悲鳴をあげる。


ーヴーッ ヴーッ

あたしが返信に困っていると、ケータイが震えた。


「メール??じゃ、ない…。電話!?」


〈着信:森山 飛鳥〉

画面上に表示された名前に、あたしは驚きを隠せなかった。


「っ……。はい…」

ビクビクしながらも、あたしは電話に出た。

『あ、円!!…出てくれてよかった…』

ホッとしたような飛鳥の声に、あたしの心はまたズキズキと痛む。


どうしたのかな、なんて心配してたけど、本題と思われる話は全然出てこなくて、さっきからずっと他愛ない話ばっかり。

すると、飛鳥が覚悟を決めたように声のトーンを低くして言った。


『さっきのメール、本気だから』

「っ……」


あたしは、言葉を失ってしまった。

だって…まるで、目の前で飛鳥に訴えられているようだったから。


『俺、入学式から円の事好きだった。誰よりも先に話しかけて、誰よりも先に円の頭に残っていたかった』

やだ…。こんなの、嫌だよ……。

『俺、円がサッカー部入るっつーから入ったんだよー』

これ以上、聞きたくないよ…!!!!


「飛鳥、あたし無理…。飛鳥の事、好きになれない…」


もう飛鳥につらい思いしてほしくない。

いっその事、あたしの事を忘れてほしい。


「あたし、あたしね、好きな人が……」
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