蹴球魂!!!!
ーツキンッ

胸に、針が刺さったような痛みが走った。


“今日まで”

晃汰からしたら、当たり前の事。


1週間も晃汰と2人で勉強出来たってだけで嬉しい事なのに、どこかで引っかかりを感じる。

あたしって…欲張り??


「馬鹿でねーの??」

「何その明らかにあたしを馬鹿にしてる言い方!!」

「だって本当に馬鹿にしてるし」

「馬鹿じゃないしっ!!!!」


電車が来るまでの間、あたしと晃汰は改札を挟んでいつものように口論を繰り広げていた。


ーガタン ゴトン…


徐々に近づいてくるのは、電車の音。


「じゃああたし…行くね??」

「おう。今度こそじゃーな」


もっと、話していたい。

馬鹿にされるような言葉でも、優しくない言葉でもいい。


そんな想いも虚しく、あたしは1人静かに電車に乗り込んだ。


…かったるそうに歩く晃汰の後ろ姿を眺めながら……。


ーキーン コーン カーン コーン

「テストの解答を後ろから集めてきてー」

あたしなりに頑張った数学を列の一番後ろの人に渡して…そして、机に突っ伏した。


つ…疲れたぁぁぁーっ!!!!!!!!


あたしは伸びをしながら俊介に訊ねた。


「今日の部活、何時から??」

「あぁー…いつも通りだと思うで??」
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