。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。


「会長のマンションも、自社ビルの会長室もどこも高層でしょう?戒さんはそこまで行くのがイヤなんですよ」


キョウスケが苦笑いを浮かべて説明をくれる。


そ…そぉかー…なるほどね。高所恐怖症だったね、確か。


「ぉい!てめぇ余計なこと言うンじゃねぇ」


戒がキョウスケの頭に踵落しを決めた。


いたっ!とキョウスケが呻いて頭を押さえる。


「てめぇ何、俺の弱点をさらりと言ってンだよ」


戒が腕を組みながらキョウスケにガン垂れている。


「ま、まぁまぁそう喧嘩するなよ」


あたしは二人を引き剥がして、宥めるように戒を引き戻した。


「大体なんであいつあんな高いところが好きなんだよ。“なんとかと煙は高いとこが好き”って言うからか?」


「叔父貴はバカじゃねぇよ」


今度はあたしが戒の頭に鉄拳を喰らわす。


目の前でキョウスケがふっと笑った。


「てめ。何笑ってンだよ!おめぇだってルイの彼女に追い掛け回されて、一ヶ月で五キロも痩せたくせに!!ルイのヤツあのとき荒れてて大変だったんだぜ!?」


「過去の話やないですか。しかも不可抗力やっ!戒さんかてケイさんに観覧車から突き落とされそうになって高所恐怖症になったくせに!」


キョウスケが睨む。


また喧嘩勃発!?



「…てかルイとケイって誰!?」




女!?男!?







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