。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。
か……
「かっこ悪くなんてない!ってかかっこつけるな!弱っててもキョウスケはキョウスケだし、そんな風に寝込んでるおめぇを放ってなんかいけない!」
そう怒鳴り返すと、もぞもぞと戒の方の布団がちょっと動いた。
「そうや~。俺なんか朔羅にかっこ悪いとこばっかやで。こんなときぐらい甘えろや」と布団の中から戒のくぐもった声が聞こえる。
どうやら本気で眠ってはいなかったみたいだ。
「戒さんのかっこ悪いとこばっか……それでも好きでいてくれはるなんてよっぽど物好き…って言うか奇特なお人ですね」
憎まれ口を叩けるぐらいには意識がしっかりしているようだ。
「何やと」と戒は怒った声をあげたけど、本気じゃないみたい。
すぐに大人しくなった。
二人仲良く(?)揃って眠っている姿を見ると―――ホントに兄弟みたい。
でも読者の皆様に一言。勘違いしないでほしいが、こいつらは従兄弟でも兄弟でもない。
血の繋がっていない幼馴染だ。
体型とか声とか何気に似てるけど……
似てるけど、全然違う―――
あたしは目を閉じたままの二人を見下ろして、
「あたしは氷枕とか探してくるよ」と腰を上げた。
キョウスケは眠っているのか返事を返さず、代わりに戒がちょっとだけ手を布団から出すとひらひらと振った。
キョウスケ―――大丈夫かな…
心配だったけど、とりあえず氷枕や体温計の類いを探しにあたしは一階に降りた。