。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。



ちょっとキョウスケの様子を見るつもりだった。


階段を昇っている最中、


「…お、お嬢!!」階下からユズ…もとい譲(ユズル)が顔を青くして呼んでいた。


みんな仕事に出てるからってこの家が空になるわけでない。留守番的な野郎をかわりばんこに一人だけ残しておくのがこの家の取り決めだが、


今日の留守番役、ユズがあわあわと口元に手を当てている。


「何でぃ。あたしゃキョウスケんとこに行くんだよ」ちょっと訝しく眉を寄せると、


「お嬢…それが、変なヤツが来たんです」


歯切れの悪いユズにあたしは苛々と見下ろした。


「はぁ?変なヤツだとぉ?」と聞いて、思い立った。きっとドクターが来たんだな?


思ったより全然早いじゃねぇか。


あたしはドクターを案内するために玄関まで向かった。



だけど玄関に居たのは―――


ドクターじゃなかった。


すらりと身長が高く、細身のスーツが良く似合う男。年は叔父貴よりちょっと上って感じかな?


なかなかのイケメンだった。


ヤクザ独特の雰囲気がないし、カタギかな?こんなヤツ知らないし、爽やかエリートサラリーマンって感じだ。


爽やかな笑顔を浮かべて、手には大きな薔薇の花束を持っている。


何故バラ??


「あの…どちらさま?」怪訝そうに聞くと、


「やぁウサギちゃん♪ヒヨコちゃんは居るかな?」男はにこにこ笑顔を浮かべた。


う、うさぎちゃん!?ひよこちゃん!?





へ、変なの来たーーーー!!!






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