。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。



「う、うちはペットショップでも動物園でもありません。来るところ間違えてませんか?」


ユズの後ろに隠れながら、びくびく言うと、


「いやぁ合ってる筈なんだけどな。龍崎組でしょ?」と男は首をかしげている。


「あ、あんた一体何者ですか?」


「僕?僕は大狼 恵一です。恵ちゃんて呼んでね、うさぎちゃん♪」


タイガ ケイイチ―――……?


どっかで聞いた名前…


タイガと名乗った男をまじまじと見据えてあたしは首を捻った。


「ってか何だよその“うさぎちゃん”ってのは!」ぞぞぞ、と鳥肌が浮かんで両腕を抱きしめると、あたしは、はっと気付いた。


「お前、あの変態ドクターの知り合いか?もしかして医者?」


「変態ドクター…?」とタイガは首を捻って、やがてぽんと手を打った。


「もしかして衛のことかな?衛と知り合いなのかい?うさぎちゃん」


「だから!そのうさぎちゃんてのはやめろ!てかやっぱりあいつと知り合いなんじゃん!」


てかヒヨコちゃんて誰のこと!?もしかして戒??


あいつまた変なの拾ってきやがって!!


そうあたしが喚いているときだった。


「朔羅さん?何騒いでんのさ」と、一応ユズが居る手前メガネの声で戒がひょっこり顔を出した。


でもその顔が怪訝そうに曇っている。


「朔羅、どうしたの?」とその後ろからリコも顔を出した。


リコは以前ドクター鴇田から貰い受けた、あのナース服に身を包んでいて、


ぶーーーー!!


あたしはリアルに鼻血を吹きそうになった。






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