。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。





「てやんでぃっ!!何が優しくだ!この変態やるぉう!!!!戒とキョウスケを変な目で見るんじゃねぇ!!」





そう怒鳴って、立ち上がるとあたしは拳を振り上げた。


ドゴッ!


あたしの手加減なしの強烈パンチがタイガの頬を打ち、タイガが後ろに引っくり返る。


戒とキョウスケ、リコは目を丸めてびっくり。声も出ないようだ。


あたしはぽかんとする三人を尻目に、倒れているタイガの胸ぐらを掴んで起き上がらせた。




「ざけんじゃねぇ!!何がギブアンドテイクだ!取り引きを餌に卑怯な真似しくさりやがって!!


てめぇは男の風上にも置けない野郎だ!」





言い終えて、ちらりと後ろを振り返り、


「使い方あってる?」


と恐る恐る聞くと、あたしの暴挙にびっくりして思わず抱き合っている戒とキョウスケ。それから呆然と突っ立ているリコが同じタイミングで


う…うんうん、という感じで頷いた。


「そんな卑怯な取り引き、こっちから願い下げだっ!」


乱暴にワイシャツの襟から手を離すと、あたしはタイガを押しのけた。


びっくりして目を開いたままのタイガは力なく後ろに倒れると、


つー…と鼻血を出しながら、


「女の子に殴られたなんて初めてだ…。………いい…」と言って、鼻血を手の甲でこすりながらむくりと起き上がってきた。


な、何かいやぁな予感…






「惚れた!!うさぎちゃ~ん!!♪♪」






あたしのパンチにもちっとも堪えて居ない様子のタイガは勢いをつけてあたしに飛び掛ってきた。



ギャーーーー!!!!




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