。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。
母さん!?
◇ 母さん!? ◇
こいつは―――鴇田は、イチのピアスを欲しがっていた。
キョウスケが持っていった数珠の欠片も、こいつらしくない取り引きに応じてまで握りつぶした。
いくら頭が悪いあたしでもさすがに気付くよ―――
イチは、こいつの―――
だけど証拠になる数珠もピアスもない。
しかもこいつの年齢からすると、子供って言うことは考えられない。
(いや、はっきりした年齢知らないんだけどね)
妹―――なんだろうか……
でも、どうして身内が居ることを隠そうとしているのだろうか。
叔父貴は言ってた。
イチは内部分裂を図ってるって。
あの女は―――一体何が目的なんだろう。
―――そんなことを考えながら、あっという間に週末になった。
週末は―――花火大会だ。
あたしはマサが見つけてくれた浴衣を持って、戒とキョウスケ、それからリコと一緒に都内の高級ホテルに来ていた。
「おこしやす」
ホテルの一室で、鈴音姐さんが相変わらず気品のある笑顔で、にこにこ迎えてくれた。